細野漢方診療所 Hosono Kampo Clinic
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漢方から考える新型コロナ予防

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3行まとめ:

● 「気」の流れと貯蔵量が免疫力に大きく関係する
● 「気」は元気、気分の「気」である
● 「気」を働かせるのは難しいことではない

以下に詳細:

コロナウイルス感染症で世界中が大変なことになっています。テレビでは感染予防に「手洗い、うがい、マスク」などの基本的な注意事項が繰り返し流れています。先日テレビを見ていると、大学の感染症専門の先生に対して他に何か注意することがありますか?と司会者が質問を投げかけていました。するとその教授は、「手洗い、うがい、マスクなど散々言われていますので、私から申し上げることは、家でのんびりリラックスして美味しいもの食べて、ゆっくり休んで下さい」とおっしゃいました。立場ある感染症専門の先生がこの様なことをテレビでおっしゃったことにまず感心しました。これこそ漢方で考える免疫力を高め感染を予防する大原則だからです。(その教授はそんなことは考えていないと思いますが)そこでこの機会に、世間で当たり前に言われていることを漢方的に考えてみましょう。

体のバリア機能をフル活用する!

漢方では感染症を外邪がいじゃによる、外側からの生体に対する攻撃だと考えてきました。その攻撃を真っ先に受け止め抵抗するのが外部と接する器官、つまり皮膚や気道になります。風邪の初期に飲む葛根湯かっこんとうには発汗作用がありますが、これは汗とともに体表面から外邪を排出したいからです。風邪を引きそうな感じだったけど、一汗かいてスッキリした経験は皆さんにもあるかと思います。さて、この外邪(ウイルスも含む)に抵抗するには体表部に防衛ラインを張り巡らせる必要があります。この防衛機能を担うのが「気」です。気は元気の「気」であり、エネルギーの様な物だとここでは考えて下さい。つまりコロナウイルスに対抗するには「気」を十分に体に保つ必要があります。

「気」(エネルギー)は生まれながらに持っている物と体内で新たに作り出す物の2種類あります。体内では「腎」(腎臓とは少し違います)と言う場所(概念)に貯蔵されていますが、これは生まれながらに持っている物だと思って下さい。こちらは年齢とともに減っていきます(つまり老化。抗老化とは漢方では腎の気を増やすことです) 一方「気」を取り込むのは、食事と呼吸になります。食事もただ食べるだけではなく、きちんと消化して吸収することが大前提になります。食事を気に変える場所を漢方では「」、呼吸から気を取り込む場所を「はい」とそれぞれ名付けています。つまり美味しい物を適度に食べると言うことは、体の「気」を増やして免疫力をあげるのです。

防衛機能を使うには気分が大事!

さて、体の中で主に「気」(エネルギー)の流れをコントロールする場所(機能)を「かん」と呼んでいます。気の流れが悪ければ、当然働きも悪く体の抵抗力も上がりません。気の流れはストレスを受けることで簡単に止まってしまいます。それが「気」分が悪いと言うことです。またストレスは肝にダメージを与えやすく、結果として「気」はコントロール不可能な状態になってしまいます。例えば頭のあたりで気が止まってしまえば、頭の重さ、うつ気分として感じられ、咽のあたりで止まれば喉の閉塞感、胸で止まれば動悸・・・・などなど、経験ある方も多いと思います。リラックスしてゆっくり休むことはストレスから離れて、気の流れを良い状態に保つと言うことです。

つまり、漢方的に考える免疫力を高めるとは、「気」を体に補充し、「気」の流れを保ち、体の必要とする場所に適切に配分することに尽きるのです。
かなり簡略に大雑把に、漢方での理論を書いてみました。美味しい物を適切に食べて、リラックスしてゆっくりと休んで、そしてみんなでこの状況を乗り越えましょう。

と、ここまで書くと「アルコールは飲んでいいのですか?」と必ず聞かれます。どうぞ飲んで下さい。適度なアルコールはリラックスして「気」の流れが良くなりますし、さらには「血」(血に関しては煩雑になるので書きませんが)の流れも良くなり、またまた相乗効果でさらに「気」の流れも良くなるはずです。

院長 細野孝郎

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この記事を書いた医師
東京診療所 細野 孝郎

院長【細野漢方診療所責任者】

細野 孝郎(ほその たかお)

03-5251-3637

漢方では、体を整えることで、病気を治したり、また病気になりにくい体作りをします。体のことでお悩みの方はもちろん、現在は健康だと思われている方も、ビタミンを摂るように、自分に合った漢方をみつけて、健康で楽しい人生を送りましょう。

昭和63年北里大学医学部卒
日本東洋医学会認定医国際抗老化再生医療学会名誉認定医国際先進医療統合学会理事千代田区医師会所属

川崎市立井田病院、藤枝市立志太病院、北里大学病院などを経て現在に至る。
北里大学病院では、膠原病・リウマチ・アレルギー外来を経て、漢方外来設立に尽力、担当。
1992年より聖光園細野診療所でも診療を開始。2021年12月法人(聖光園)から独立して細野漢方診療所として開設し診療を継続中。
得意分野:内科系疾患全般、月経困難症や不妊などの婦人科疾患、皮膚疾患。また、体質改善や健康維持など、加齢にともなうエイジングケアの漢方にも力を入れている。
趣味:猫、洗濯、料理、掃除、フルマラソン(サブフォー、ロンドン、シカゴ、ニューヨーク、ベルリン、フランクフルト、香港、東京、大阪、京都、神戸)など。

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