不妊治療の漢方薬と鍼灸

漢方治療といえば、漢方薬を飲むだけの治療を想像される方が多いでしょうが、実はそうではありません。

「漢方」は漢方薬と鍼灸を総括した言葉

漢方薬と鍼灸しんきゅうの二つを併せたものが、本来の漢方治療です。
他の疾患もそうですが、不妊でお悩みの方に対する漢方治療も、漢方薬だけの治療よりも、鍼灸治療を併せた方がより効果が出る場合があります。
不妊の漢方治療の基本は、「血の流れ」と「血の質」の改善にあると思っています。つまり上質な血液サラサラの体にしなければならないのです。
その「血の流れ」を良くするためには体のエネルギーの流れを良くせねばなりません。これがいわゆる「気の流れ」です。
「気の流れ」の悪い人は下腹部にガスが溜まってポッコリしたり、残尿感(お小水が残っている感じ)があったりします。
お腹を診察して、右の下腹部を押して抵抗のある人は血の流れが悪いことが多く、全体的にガスが溜まったり、肋骨の下あたりが固い人は気の流れが悪いことが多いのです。
基本的、その程度に応じて、血の流れや気の流れを改善する漢方処方を選択します。
さらに、もっと効果を出したい場合には鍼灸治療を併せてお勧め致します。

漢方薬も鍼灸も同じ治療方針であることが重要

人間の体には経絡けいらくと言って「気」や「血」の通り道となる物が存在します。その経絡には経穴(すなわちツボ)が365個以上点在し、そのツボを刺激することにより、「気」や「血」の流れを改善するのです。治療方針や方向性により、どのツボを使って治療を進めるかが異なります。
刺激の方法には、針(髪の毛程度の細さ)を使ったり、お灸(痕にはなりません!)で熱を加えたりする方法があります。
例えば、ご自分で「せんねんきゅう」などを買って、関元かんげん太𧮾たいけいなどにお灸をされても良いでしょう。これらのツボを刺激することで、間接的に女性生殖器系に熱を加え、血の巡りが良くなります。治療効果を継続するため、自宅でできる治療補助も指導します。
漢方薬と同じ方向性で鍼灸治療を受けることはとても効果的です。しかし、漢方薬と鍼灸治療の方向性が同じでないと、効果が得られないどころかむしろ体にとっては逆効果です。

当院で鍼灸治療をお受けになる患者様全員に対して、漢方薬での治療と同じ方針(方向性)での鍼灸治療を受けられるようにしております。

鍼灸治療のみのご予約も承っております。みなさまのお越しをお待ちしております。

*鍼灸治療は好き嫌いがありますので、ご希望の方のみにいたしております。ご予約時にご希望があればおっしゃって下さい。

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この記事を書いた医師

院長【細野漢方診療所責任者】

細野 孝郎(ほその たかお)

漢方では、体を整えることで、病気を治したり、また病気になりにくい体作りをします。体のことでお悩みの方はもちろん、現在は健康だと思われている方も、ビタミンを摂るように、自分に合った漢方をみつけて、健康で楽しい人生を送りましょう。

昭和63年北里大学医学部卒 
日本東洋医学会認定医国際抗老化再生医療学会名誉認定医国際先進医療統合学会理事千代田区医師会所属

川崎市立井田病院、藤枝市立志太病院、北里大学病院などを経て現在に至る。
北里大学病院では、膠原病・リウマチ・アレルギー外来を経て、漢方外来設立に尽力、担当。
1992年より聖光園細野診療所でも診療を開始。2021年12月法人(聖光園)から独立して細野漢方診療所として開設し診療を継続中。
得意分野:内科系疾患全般、月経困難症や不妊などの婦人科疾患、皮膚疾患。また、体質改善や健康維持など、加齢にともなうエイジングケアの漢方にも力を入れている。
趣味:猫、洗濯、料理、掃除、フルマラソン(サブフォー、ロンドン、シカゴ、ニューヨーク、ベルリン、フランクフルト、香港、東京、大阪、京都、神戸)など。