漢方では「気」の流れが大切だとか、「気」が十分にないといけないだとか言いますが、そもそも気は漢方的概念であり目に見えないものなので想像するのは難しいでしょう。深く考えずに簡潔に言うと、気は気分や元気の気であり、精神状態です。また少しひねって考えれば、気はエネルギーと考えても良いでしょう。
よく言う「気の悪い人」は何か不機嫌な人を想像すると思いますし、また「気の足りない人」は虚弱な人を想像するでしょう。
気はどうやって取り入れるのかとか、どこに貯蔵されるのかとか、更には気の流れが他の要素に影響を与えるのかなどを一気に説明すると理解不能になってしまいますので、「気は精神状態でありエネルギーである」とだけでまずは良いでしょう。そしてこの気が適切に体内を回ることで、体の活動が保たれるのです。気が動かなくなったり、不足したりすると色々と不調を感じることになります。次回以降は気に関するそれらの症状を説明したいと思います。
疾患別では、ストレスの項目に記事を上げています。
話変わって写真は某インド料理屋さんのチキンビリヤーニですが、毎回、足りない足りないって店員さんに言っていたら「気のせい」か段々と大盛りになってるように感じます。気の所為(せい)を辞書で調べると「実際にはそうでないのに、自分の心の状態が原因でそのように感じられること」つまり、ここでの気は心の状態、つまり精神状態になります。ビリヤーニの量が本当に増えているのか、自分の胃が小さくなっているのか、それとも自分の精神状態がビリヤーニが大きくなってると思わせるのか、これこそ「気」になるところです。
細野漢方診療所 細野孝郎