• 内科医師からスタートし、現在は三代続いている漢方専門のクリニックを銀座で開業中。女性系疾患(月経関連、更年期、 不妊症など)、アトピー性皮膚炎などから、ちょこっと体の弱い人までお見えになります。趣味はマラソン(基本的にはインドアでテレビ派)、猫(アメショ)、週に1回の外食。マラソンはsix stars finisher(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク)日本人では338人目位の達成!!

眠りが悪いけど、睡眠薬には頼りたくない・・・・・と言う方は多いのですが、病院に行って「漢方で眠れるのありますか?」と言うと、おそらく大半の方は酸棗仁湯(さんそにんとう)を処方されるのではないかと思います。酸棗仁湯は不眠を訴える方に使われる代表的な漢方で、5種類の生薬から構成される比較的シンプルな処方です。ただ、私はあまり使わない処方で現在は2〜3名の方に出しているだけです。当院にかかっておられる方で寝れないとおっしゃる方は比較的少ないのと、あと過去に酸棗仁湯は多数使って来ましたが、あまり効いたと言う手応えを感じなかったなどが理由です。ただそれは使い方が上手くなく、酸棗仁湯の効くパターン以外にも使ってしまったなどの反省もあります。現在処方している方々にはそれなりに好評で、酸棗仁湯で寝れる様になったとおっしゃっています。

そのうちのお一人は、60代の小柄で痩せ型の女性の方で、動悸(ホルター検査で正常範囲)があり、夜に何度もトイレで目が覚めてしまうとのことで清心蓮子飲(せいしんれんしいん)を処方していました。これがとても良く効いて、夜間のトイレも動悸も気にならない程度でずっと経過していました。しかしある時から、それがあまり効かなくなり、夜間尿も動悸も復活してきて眠りが悪くなって来ました。どうしたものかと考え、動悸を胸部のザワザワ感と考えて酸棗仁湯を処方してみました。思った以上に効果あり、1ヶ月程度で動悸を感じなくなり、夜間尿も1回程度までに改善して来ました。3ヶ月後には睡眠は浅い日もあるが、以前ほど気にならなくなったとのことでした。他の方々も、睡眠は以前よりは良いと言う感じで、さすがに爆睡できると言う感じではありません。飲み方ですが、眠剤みたいに寝る前に1回では、最初はおそらく効かないと思います。自分も最初、夜1回でなんでダメ??と疑問に思っていたのですが、朝から飲んで1日を通して精神状態がリラックスしてこそ睡眠は改善するそうです。確かに昼間に興奮することがあれば、その日は寝付きは悪いかと思います。以前、寝る前1回の服用で良く寝れると言う方がおられました。最初は複数服用して、そのうち朝、昼が抜けて夜1回になったみたいです。睡眠が改善することで精神状態が落ち着く、そして寝れる、の良い循環に入れば服用も1回になりその後になくても眠れる、これが理想だと思っています。次回は酸棗仁湯の合うパターンと構成を簡単に見てみましょう。

ゴールデンウィークのお休みはみなさまいかがお過ごしでしょうか?当院は暦通りの診療ですので、今年は遠出もせずに家でゴロゴロと過ごしています!さて本日は自宅からランニングに出て、いつも曲がる交差点を直進したり、右に曲がる所を左に曲がってみたりしながら知らない道をゆっくりと走ってみました。世田谷の上町あたりに実相院と言うお寺があり、これは新しい発見でした。この近辺には豪徳寺もあり、都会の中でも大きな寺が隣接するようにいくつも残っていることに驚かされます。直線距離では渋谷から6キロ程度?障害物なければ走って30分少し、あのスクランブル交差点の喧騒を思えば嘘みたいな話です。喧騒と言えば、豪徳寺はインバウンド観光客で大変なことになっています。豪徳寺近辺はもう15年以上前からもランニングコースの一部です。以前はそんなに外国人もいなかったのですが、駅から豪徳寺に向かう道に外国人受けしそうな店も増えて雰囲気も変わりました。昔から住んでいる方達は変化についていくのが大変だろうなと思ってしまいます。しかし実相院と言えば、京都の実相院が有名で、確か同じ名前のバス停があった記憶があります。こうやって気分転換しながら、今日はいつもと異なるコースなので楽しみながら20キロ走ってこれました。しかしここ数年6月に入ると急激な気温の上昇で5キロ程度でギブアップになってしまいます。さすがに今年はジムにでも入ってエアコンの効いた室内で運動しようかなと思っています。

細野漢方診療所 細野孝郎

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