前回からの続きになります。前回書いたのは通常の葛根湯の服用についてで、多くの方々が通常はこの考えに基付いて風邪=葛根湯で処方されたり、薬局で購入されていると思います。葛根湯マニュアルの中での肝は後頭部、頸部、肩、背中の強張りだと思います。ですからこの主症状を目標に、太陽病だけではなく症状が慢性に経過している時でも、上記の症状があれば葛根湯が良く効くことがあります。
副鼻腔炎や蓄膿症の症状として鼻詰まり、熱感、頭重・頭痛、首の凝りなどがあります。そうです、葛根湯の症状とピッタリですね。これらの症状があれば葛根湯も適応となります。「せっかく漢方専門の病院に行ったのに風邪も引いていないのに葛根湯を出された・・・・・・」と思わないで下さい。こう言う理由で症状から葛根湯を処方されたのです。ただ私は副鼻腔炎などの方にそのまま素の葛根湯を処方することはほぼありません。頭痛のある場合には川芎(せんきゅう)、鼻詰まりのある場合には辛夷(しんい)を加えて、葛根湯加辛夷川芎として処方しています。基本的に副鼻腔炎には頭痛・鼻詰まりは伴うでしょう。逆に風邪で鼻が詰まって鬱陶しい!(これは風邪と言うより副鼻腔炎と言った方が良いかと思いますが・・・・・・)場合も薬にチョイスとして葛根湯加辛夷川芎が考えられます。
ここからは余談になりますが、便秘の方などには更に大黄(下剤成分)を加えることがあります。これは腸の粘膜と鼻の粘膜は繋がっている(つまり腸から胃、食道と来て喉から鼻奥まで繋がっているのは分かると思います)ので、大腸の残存物を出して綺麗にすることで副鼻腔にも好影響を期待できるからです。また鼻水が濃くなり膿状になると、葛根湯加辛夷川芎プラス薏苡仁(よくいにん)を加えたりもします。誰もが知っている葛根湯でもこうやって幅広い対応が可能です。
さて、なんでまた大阪マラソン走ったの?と思われるでしょうが、実はこれにはとても複雑な事情がありました。最初はイギリス人の友人から、夫婦で日本に旅行に行くついでに日本のマラソンに出たいとの申し出がありました。当然、東京マラソンだと思い込んでいたのですが、どうも違って話が二転三転し結局は大阪マラソンを走りたいと言い出しました。イギリスからわざわざ大阪マラソンに来るか?同時期に東京あるでしょ??と何度言っても全く頑なに聞いてくれません(笑)そこで僕は大阪まで走りに行く気はないから、東京に来たら食事でも行こうとあやふやな返事をしていました。そしてほぼ同時期に香港の友人から、来年の香港マラソンの申し込み日だけど申し込めよ、当然来るんだよね?と連絡が来て、いやぁ、イギリスの友人が大阪マラソン走るとか言って来日するからその時期は日本にいないとダメなんだよね、と返信しました。そしたら何を思ったのか、香港の友人が「大阪は好きな街だし、大阪マラソンは僕も走りたい!」とか言い出しまして。そして当然の如く、両者から「キミも当然走るんだよね??」的な変な圧がかかり日本人なのでNoとは言えずに結局は付き合いでフルマラソン!?・・・・・・・もし同じことが次回もあれば絶対に見学する側に回ります(笑)
細野漢方診療所 細野孝郎