• 内科医師からスタートし、現在は三代続いている漢方専門のクリニックを銀座で開業中。女性系疾患(月経関連、更年期、 不妊症など)、アトピー性皮膚炎などから、ちょこっと体の弱い人までお見えになります。趣味はマラソン(基本的にはインドアでテレビ派)、猫(アメショ)、週に1回の外食。マラソンはsix stars finisher(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク)日本人では338人目位の達成!!

胃苓湯がピッタリ合うのはもちろん運動での給水時だけではありません。元々はチョコレート嚢胞で通っておられる50代中盤の女性の方ですが、嚢胞は年齢と共に縮小し、また更年期の様な症状も改善していました。婦人科の治療ももうお休みで良いよね、みたいな感じになった頃に「最近浮腫みが酷くて足が重い」とおっしゃいました。水分摂取量も多い方なので水毒タイプと判断し、五苓散に九味檳榔湯(くみびんろうとう)を合わせた感じで処方しました。そうするとこれがピッタリな処方だったらしく、浮腫みは減るし足も体も軽くて言うことはない、このまま続けたいとのことで半年程は変えることなく継続しました。そうして年が変わって1月のこと、年末年始に飲み過ぎ食べ過ぎをしたらしくて「胃のあたりが張った感じがする」とおっしゃいました。腹診をしてもそんなに胃が動いていない感じはありませんでしたが、胃苓湯をチョイスしました。この方に五苓散はとても合っていたので、五苓散を残してそこに胃を動かす何かを加えたかったのです。まぁどう考えても人参湯と言うタイプでもなかったですし。この胃苓湯がたまたまかどうか分かりませんが、またピッタリと合ったみたいで、ともかくある程度なら暴飲暴食しても大丈夫!とのことでした。もちろん当院では暴飲暴食は推奨していません(笑)さらにこの方は外での仕事も多く夏場は水分を意識して多く摂るので、毎年必ずお腹が直ぐにガボガボになったり重くなったりしていました。そこでこんなに合うのならば暫くは胃苓湯を続けたいとの希望がありました。昨年の夏は水分を摂りすぎても下痢になったりガボガボになったりすることなく、現在も調子良く継続されています。ただ今年の正月はついつい食べ過ぎて胃の重さが出たけれども、胃苓湯で直ぐに治ったとおっしゃっていました。気を付けなければならないのは、胃薬系の物はピッタリ合うとやたらに快調で、しかも胃の動きが改善されるので空腹感が出て来ます。そうなると食べ過ぎてまたダメになる、を繰り返す方もおられます。他の胃系の処方ですが「あの薬はダメ合わない、胃が軽くなってついつい食べ過ぎて、結局胃が重くなって苦しいので、何か他に良いのない?」と言われたこともあります。さすがに知らんがな〜案件です(笑)が、ちょっと小分けにして少しずつ食べたらどうですか?と提案もしておきました。それはそれで解決したみたいです。話が少し逸れましたが、体が浮腫みやすい(水毒)タイプの方の胃薬の一つとして胃苓湯も選択肢に入れて考えてみて下さい。

水毒?五苓散??となっている方は(3)をもう一度ご覧ください
あと水毒はタグでまとめていますので、よろしければご参考までに

先日、美味しいものを頂いて来ました。この時期ならではのキャベツとサルシッチャのポトフです。こう言う脂の抜けた物は胃に優しくて助かります。冬ならではのメニューなのですが、夏の時期こそ水分の摂りすぎで胃の動きが悪くなるので、むしろこう言う温かいメニューが数多く選べると良いのですが。とか言っても外が35度超えると絶対に選ばないかなぁ(笑)

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細野漢方診療所 細野孝郎