折衝飲(せっしょういん)と言う女性系漢方があります。当帰芍薬散や桂枝茯苓丸はみなさんご存知の漢方だと思いますが、折衝飲はあまり知られていなと思います。当院では不妊症の治療や月経痛の方に主として用いています。もちろん皆さん(処方される側の方々)はこんなの知らなくても良いのですが、このついでに少しだけでも知っておけば後で知識として何か役に立つかも知れません。
折衝飲=当帰芍薬散+桂枝茯苓丸+痛みを抑える生薬➖水分代謝の生薬
ざっくりと以上になります。なので浮腫みよりも痛み(月経痛など)が気になる方とタイトルに書きました。
まぁここは色々と漢方を学習中のお医者さんや薬剤師も見ているらしいので、もう少し詳しく書きます。意外なことに、このブログ見てウチに応募して来る方も多いんですよ。
痛みを抑える生薬とかなりザックリと書きましたが、実際には3種類の生薬が加えられています。延胡索(えんごさく)、牛膝(ごしつ)、紅花(こうか)となります。延胡索は月経痛などを和らげる作用があるので、痛みを抑える系と考えて下さい。牛膝に関しては以前もここで何度か説明していますが、薬効を体の下部により効果的に作用させます。牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)など牛膝が入っていますが、下半身に作用させたい処方です。牛膝湯と言う折衝飲の親戚の様な処方もあります。下腹部の痛みを和らげると思って下さい。紅花には駆瘀血作用があり、紅花で血液サラサラみたいなフレーズの健食があったかと思います。
マイナス水分代謝の処方とは、白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)の3種類です。つまり当帰芍薬散から水分系を全部抜いて、また同時に桂枝茯苓丸からも茯苓を抜きます。この3種類の生薬を含むのが茯苓沢瀉湯(胃の処方)、白朮と茯苓を含む代表的処方は六君子湯(胃の処方)です。つまりこれらの生薬には利尿作用だけではなく健胃作用があるからです。
以上より折衝飲は女性系の疾患ある方で、浮腫み(水毒)がないので当帰芍薬散ではない、桂枝茯苓丸ほど下腹が張っていない方で、更には当帰、芍薬、川芎の血液の質を良くする(内膜を厚くしたい)作用が欲しい時には良い処方だと思います。
涼しくなったので、昨日は快調にスピード上げて走っていたのですが・・・・・・・経堂周辺で足首に異常が、よくある一時的な痛みかと思い、そこから様子見ながら豪徳寺までスローダウンしましたが、歩くのも痛くなり写真の赤マークの場所で時計を止めてギブアップ。そのうち治るだろと思い梅ヶ丘までゆっくり歩くことに、でも無理して本格的に痛めても困るので素直にギブアップ!電車で帰ろうと思ったのですが、短パンTシャツで汗まみれ、電車内にいたら絶対に近付きたくない人(笑)勿体無かったのですが、しょうがないのでアプリでタクシーを呼んで帰りました。涼しくなると一気にスピード出てしまうし、シューズも反発が良いのを選びがちで、毎年この時期には必ず怪我をしてしまいます。家に帰ってロキソニン1錠服用して夜には軽くストレッチ、今日は少し下坂で気になる程度でほぼ回復しました。皆さんも季節の変わり目、気を付けて行きましょう!!
細野漢方診療所 細野孝郎