• 内科医師からスタートし、現在は三代続いている漢方専門のクリニックを銀座で開業中。女性系疾患(月経関連、更年期、 不妊症など)、アトピー性皮膚炎などから、ちょこっと体の弱い人までお見えになります。趣味はマラソン(基本的にはインドアでテレビ派)、猫(アメショ)、週に1回の外食。マラソンはsix stars finisher(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク)日本人では338人目位の達成!!

以前書き溜めてお蔵入りになっていた高齢者の方の体質改善についてです。全部で4回続きます。

よく漢方で体質改善とか(簡単に)言われていますが、じゃあ何を具体的にどう改善するの??って思われている方は多いと思います。何をどう改善するか具体的なイメージが沸かなければ、治療のゴール設定も出来ません。

当院に体質改善を希望して来院される方々の話を細かく聞いていくと、皆さんが体質改善に期待される(現在ある症状)ことは大まかに以下となります。子供の体質改善は、例えば消化吸収能を向上させて風邪などを引きにくい体を目指す感じです。成人女性は月経を整える、つまり女性ホルモンのバランスを整えることかと思います。これは不妊治療にも関係します。男性の場合は解毒能力を向上させて(胃腸の問題も含みます)もっとシャキッとしたい、みたいな感じです。これらは一例ですが、むしろ体質改善希望と言うよりか、月経不順や慢性胃炎の漢方治療と考えた方が理解しやすいでしょう。50歳〜60歳以下で「特に何も症状や異常値ないけれど、何となく体質改善したいから来た!」と言う方はやはり少ないです。

そう言えば10年程前のことですが、50歳位の男性の方が「マラソンで4時間切りたいので体質改善して欲しい」とお見えになりました。このような場合も漢方処方をするならば治療目標が絶対に必要です。これくらいの年齢になると、負荷の高い状態(レース中や追い込んだ練習)では、水分の吸収や排泄能力が落ち、さらに胃腸の機能低下も感じると思います。もちろん通常の生活ではそんなことは全く感じず、俺はまだまだ若いと思い込んでいるはずです。頭の中では五苓散や平胃散、柴苓湯などなど処方名がパラパラと浮かんで来ましたが、話をよく聞いてみると月間の走行距離は100キロにも足りていませんでした。その程度ならむしろ体調は良いはずです。まずは走行距離を150キロ以上、できれば200キロ程度まで伸ばして、そこで不具合は起こってくること多いからその時点で考えた方が良いよとアドバイス(意味不明?)をして終わりました。それ以前にこの方にとっては毎日運動していることが良い体質改善なのではと思っています。

ところで高齢者の方の体質改善と書いたのに全く関係ないグダグダの展開になってしまいました。次回に続きます。

そして夕方、部屋のベランダで寛いでいると電車が通りかかっったので慌ててビデオ撮影。何とも優雅な雰囲気です。翌日は電車を乗り継いでチューリヒに戻るのですが、もう暫くはツェルマットにいたいと感じる場所でした。

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細野漢方診療所 細野孝郎