当帰芍薬散合甘草乾姜湯(とうきしゃくやくさんかかんぞうかんきょうとう)と言う長くて難しい名前の処方があります。しかしこれは単に当帰芍薬散+甘草+乾姜、つまり当帰芍薬散に甘草と乾姜を加えただけの処方になります。この処方を考えるには当帰芍薬散の構成を知る必要がありますが、それは過去に何度も書いているので今回は省略します、過去記事より参照して下さい。
この加えた甘草、乾姜を2種類だけの処方も存在し、名前もそのままで甘草乾姜湯と言う処方名になります。使い方はとても限られていて、私も単独では使用したことはありません。基本的には温性の乾姜を当帰芍薬散に加えるために、より温める作用を増していると思って下さい。つまり当帰芍薬散の駆瘀血作用、駆水作用に加えて温める生薬を加えることによって、前回書いた冷えに対する治療を3方向から纏めてやってしまおうと言う処方になります。
実際の処方では当帰芍薬散合甘草乾姜湯に、さらに末端を引き締めて温める附子(ぶし)や人参を加えて、より温性の作用を増したり、かつ胃の保護を狙ったりもします。これも何度か書いたと思うのですが、四君子湯(しくんしとう)と言う六君子湯のベースとなる処方があります。四君子湯は人参、白朮、茯苓、甘草の4種類の生薬から構成されます。当帰芍薬散に人参を加えると、その中にそのまま四君子湯が含まれて来ます。
この当帰芍薬散合甘草乾姜湯加人参附子と言う胃腸系が弱い人に対して温める作用満載の処方を売薬で再現するには、当帰芍薬散に四逆湯(四逆散ではありません)を少量足せば似た感じになるでしょう。人参が欲しければ当帰芍薬散に人参湯を若干量加えるのもアリかも知れません。
最後に補足ですが四逆湯とは、甘草、乾姜、附子の3つの生薬から構成される処方です。さらに四逆加人参湯と言うのもあるみたいで、これは四逆湯に人参が入った処方らしいです。
ごちゃごちゃと文字にすると難解になってしまいましたが、興味ある人は当帰芍薬散の構成生薬を並べて書いて眺めながら、上記の記事を見て頂くと実際には単純なことだとお分かり頂けるかと思います。
さて、今回はアメリカ写真の最後としてシカゴリバークルーズの動画を選んでみました。これも何回か乗っているのですが、初めて行く人を連れて行くと喜ばれます。
見ての通りシカゴの中心街は比較的綺麗で、湖や川、公園もあり落ち着く感じなのですが、この後にニューヨークに行くとなんか街が汚いなぁと実感します。来年はシカゴマラソンにエントリーしていませんので、行くことはないと思います。
ところで今回のブログのアイキャッチ画像(表紙の写真)はシカゴピザで、通常のシカゴDeep Dishピザは下の生地が分厚すぎて我々小柄な日本人では1枚、2枚で十分なボリュームです。毎回盛大に残して持ち帰っていました。今回は薄型シカゴピザがあったのでオーダーしてみました。印象としてはシカゴピザの1/3程度、普通のピザの3倍程度でした。まぁこれなら食べれますが、そこまで無理に分厚い生地は食べる物でもないかなと言うのが、、、、まぁこれがシカゴの名物の一つです!
細野漢方診療所 細野孝郎