前回、前々回からの続きになります。抑肝散シリーズも3回目となりました。ここまで詳しく?と言う感じもあるでしょうが、処方する側は絶対に知っていないといけないことです。また処方される側(薬局で買う人達も)はタイトル通り、抑肝散加陳皮半夏の中には胃を動かす六君子湯が含まれるんだなぁと頭の片隅にでもあれば十分以上です!そこが知識として少しでもあれば、「もう少しこうあればもっと調子良いかな?」みたいな感じが出てくる、そうなるとさらに状態に合った処方を組めるからです。
今更ながらですが、抑肝散はとても良く使われる処方で、小児科でもよく処方されるみたいで、初対面の小児科の先生から挨拶がわりに「抑肝散は良く使ってます」と言われたのを記憶しています。さて、前回書きましその抑肝散には2種類あると書きましたが、今回はそのうちの一つ、抑肝散に陳皮と半夏を加えた抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんちんぴはんげ)についてです。
抑肝散加陳皮半夏はパート(1)でも書いた、「肝」の症状がベースにあり、それが長期持続することにより、食欲不振や胃腸虚弱の状態にまで陥った状態が適応となります。この胃腸症状に対応するために、抑肝散に六君子湯(または二陳湯)を合わせたと考えて下さい。(または二陳湯)
六君子湯は胃腸の動きが悪く食欲のない場合に用いられる代表的な胃腸系漢方です。六君子湯に関しては過去にも記事を書いて来ましたので、そちらをご参照下さい。余談ですが、うちのページで六君子湯はやたらにヒット数が高くて、多くの人が六君子湯を調べているんだと分かります。
ここで文字だけではややっこしいのですが、また表にしておきます。
抑肝散 | 六君子湯 | 二陳湯 | 抑肝散加陳皮半夏 | |
当帰 | ○ | ○ | ||
川芎 | ○ | ○ | ||
茯苓 | ○ | ○ | ○ | ○ |
白朮 | ○ | ○ | ○ | |
柴胡 | ○ | ○ | ||
甘草 | ○ | ○ | ○ | ○ |
釣藤鈎 | ○ | ○ | ||
陳皮 | ○ | ○ | ○ | |
半夏 | ○ | ○ | ○ | |
人参 | ○ | |||
生姜 | ○ |
抑肝散加陳皮半夏≒抑肝散+六君子湯(二陳湯)
次回は抑肝散加芍薬黄連について書くつもりですが、その中には六君子湯も入っていないので、抑肝散加陳皮半夏とは基本は同じでも異なる処方だと想像がつくかと思います。
前回に少し書いたのですが、10月に遅い夏休みを頂いてシカゴマラソンを走って来ました。元々は4年前に出るつもりだったのですが、都合が合わずに延期、コロナで延期延期となり今年にずれ込んでしまいました。そんな訳で、今年に出走するのが2年前から決まっていたので、冗談半分で長女にも申し込ませるとなんと運悪く!?出走権が取れてしまい、彼女も28歳にして人生初マラソンに挑戦となってしまいました。副業でテレビとかに出ている関係上、日焼けが出来ないとか言う理由で練習も日の暮れた時間にそこそこ、それでもこの半年間で月間で50キロ〜100キロは練習していたそうです。果たしてそれでどの程度で走れるのか?そもそもアメリカのレースで完走とかできるの??と言う疑問が生じるかと思います。さて、このビデオはほぼ21キロ地点ですが、、、、、ちょっと想像以上のことと言うか、こちらがついて行くのに(笑)次回に続く
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細野漢方診療所 細野孝郎