事故を避けるシリーズも4回目となりましたが、今回はおそらく一番事故として多そうな副作用、下痢についてです。一番多いと言うことは、本当に気を付けるべきことになりますので、お腹が緩めの方には特に見て頂きたいと思います。漢方の代表的な下剤系の生薬としては、大黄(だいおう)は誰もが一度は聞いたことがあると思います。成分はセンノシド、いわゆるセンナでアローゼンなどに含まれている成分でもあります。ですからお腹の緩い人に大黄を含む処方は要注意です。知らずに処方されて下痢になってしまったと言う話はたまに耳にします。さらに大黄と組み合わせれることが多い生薬に芒硝(ぼうしょう)があります。これには便を柔らかくする作用があるので、これを含む漢方(基本的には大黄と組み合わされる)もお腹の緩い方は注意が必要です。まずはこの大黄と芒硝にまず気をつけて、構成生薬をチェックしてみて下さい。
因みに大黄、芒硝に甘草を加えた3つの生薬から構成される処方があります。調胃承気湯(ちょういじょうきとう)と言って、便秘の時などに処方されるかと思います。また大黄と甘草の2つの生薬から構成されるのは大黄甘草湯(錠)です。これを当院では錠剤にしているので、大黄甘草錠です。両者ともに下剤として用いられ、その違いは芒硝を含むか含まないかです。効き方の違いとしては、大黄甘草湯でもコロコロで出にくい人は調胃承気湯で出やすくなるみたいな印象がありますが、あまり調胃承気湯は単独で処方したことはないので断言はしにくいです。ただ大黄、芒硝を含む処方は頻繁に使っていますが(便秘に対してと言うよりかは他の目的で)、多くの方が便がスルッと出るようになったとおっしゃるので、調胃承気湯を単独で使ってもその様な感じになると思います。当院の調胃承気湯はかなり作用が強いので、ちょっと使いにくく、現在服用している方も夜に1回みたいな感じで服用されています。
いきなり伸びてしまうくらい暑くなって来ました!この時期は窓を閉め切っていると外は爽やかでも室内は暑くなります。エアコン入れると流石に寒いしで、猫の環境作りに苦労します。さて人間は(も)この時期はまだ汗腺の機能が夏仕様に切り替わっていないので、汗が上手にかけずに熱が体内に篭りがちになります。もう熱中症もチラホラと出ているとテレビでもやっていました。Garminのランニングウォッチでは、暑熱適応も数値化されます。どのデータを基にどの様に処理して数値化しているのか、今一つ不明なのであくまでも単なるお遊び程度の目安としていますが、現時点では18%の適応状態みたいです。昨日は20キロ程度走ったのですが、汗もじんわり程度だったので、まだまだ汗腺は機能していないと実感しています。水分も一気に飲むとお腹ガボガボの胃苓湯の証になってしまうのでこれまた注意が必要です!長い夏になりそうなので、去年の失敗を糧に今年は上手に胃の吸収機能を夏仕様に上げていこうと考えています。
細野漢方診療所 細野孝郎