• 内科医師からスタートし、現在は三代続いている漢方専門のクリニックを銀座で開業中。女性系疾患(月経関連、更年期、 不妊症など)、アトピー性皮膚炎などから、ちょこっと体の弱い人までお見えになります。趣味はマラソン(基本的にはインドアでテレビ派)、猫(アメショ)、週に1回の外食。マラソンはsix stars finisher(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク)日本人では338人目位の達成!!

葛根湯は大昔に作られた漢方で、その当時にも使い方マニュアルが存在していました。当時いろいろな漢方の使い方をまとめたのが傷寒論(しょうかんろん)と言う本で、今から1800年前の後漢から三国時代頃にかけて書かれています。日本はその頃まだ弥生時代で、その頃から存在した処方と言われても大昔過ぎて、ピンと来ないと思います。基本、日本で使っている漢方は大昔に作られた物が多く、使い方マニュアルも同時に存在しています。さて、ここで葛根湯のマニュアルから一文のみを抜き出して見てみます。もちろん原文は良く分からないので、訳文を調べてみます。

太陽病、項背強ばること几几、汗無く悪風する者、葛根湯之を主る

太陽病の時に、肩や背中が張る、すくんだような状態(肩や背中が張って盛り上がった様な状態?)、そして悪寒(おかん)や寒気がする時、そして発汗はまだしていない(つまり熱が出ると汗をかいて解熱した経験は皆さまあると思います)状態の時には葛根湯が良いですよ、と言うことです。この状態をから解釈を広げて、例えば冷えて体が寒く感じて背中が重くなり体が怠い・・・・・こう言うことって皆さんあるかと思います。自分自身も先日の大阪マラソンで、体力を使い切ってしまい、その2〜3日後に何か寒いなぁと体の冷えを感じ、同時に背中の張り、体の怠い〜と言う感じ、さらに少し鼻も詰まりかけの状態になってしまいました。ヤバいヤバいこのままだと風邪を引く、熱が出る!と言うあの感覚です。困ったなぁと言う思いが強くしばらく思考停止した後に、あ、葛根湯(加半夏)飲めばいいや!と気付いて1包飲むと、20〜30分程度で寒気が取れて体の怠さが消えました。その後、直ぐに背中の張りや鼻も気にならなくなりました。マニュアル通りに飲めば葛根湯は本当に即効性があって良く効きます。ポイントはこの様な状態になった時に、出来るだけ早く服用することだと思います。時間が経過後は太陽病の時期を逃してしまうので、他の漢方を選ばなければならないからです。多くの方が、風邪引きそうだどうしよう!どうしよう!と思いつつ、そのまま熱が出てしまったなど、この様な経験をされていると思います。この様な時にために葛根湯を常備しておいて、無事にやり過ごして頂ければと思います。

3回目の大阪マラソンを走って来ました。小雪舞う極寒のコンディションでしたが何とか無事に完走できました!もう大阪はこれで最後と決めていたので、今回はゆっくりと景観を確認しながらのジョグでした。過去2回はタイム目標のため全力疾走だったので、コースのどこに何があるのか全く気付いていませんでした。今回は大阪診療所の近くにはイタリア国旗が2箇所あると初めて知り、コース上から大阪診療所を目視できたのは初めてでした(笑)京セラドーム、あべのハルカス、道頓堀のグリコ看板、そして御堂筋などもしっかりと見ることが出来ました。今までは手元の時計ばかり気にして御堂筋を走っていてもそれがどこか認識していない状態でした。御堂筋の真ん中を走れる機会などなかなかないのに勿体無い話です。そして沿道の応援も大阪らしく十分に楽しめました!失敗したのは、寒さのせいもありお腹の動きが悪く20キロ過ぎたあたりからスポーツドリンクでお腹がガボガボになったことです。レース前に胃苓湯を飲んで胃腸を動かしておくことをすっかり失念していました。また次にどこかでマラソンを走る機会あれば忘れないようにします!

細野漢方診療所 細野孝郎

診療日誌トップ