今回から暫くは本文より下のおまけの方が充実している気がします。
ここ2〜3年ニキビまたポツポツとした出方をする皮膚疾患になどに排膿散をよく使うようになったのですが、これが思った以上に効きます。排膿散を使う以前は排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)と言う、排膿散に3つ生薬が加わった処方を使っていたのですが、これの効き方がどうもピントがしっかり合っていない写真的な印象で、もっとスッキリ効いて欲しい感じでした。排膿散及湯は排膿散の3種類の生薬を全て含むので、理屈的にはそこまで印象が変わらないはずなのですが、実際には全く違う効き方をする感じがします。
排膿散=枳実(きじつ)+芍薬(しゃくやく)+桔梗(ききょう)で1gです。
排膿散及湯=排膿散+大棗(たいそう)+甘草(かんぞう)+生姜(しょうきょう)で2gです。
排膿散は皮膚のボツボツとした固いできものに使い、排膿散及湯はもう少し柔らかい感じの出来物に使います。この使い分けが難しいので、結局は排膿散を含む排膿散及湯がファーストチョイスになっていました。
さらに排膿散の利点は1gで済むので他の処方と合わせやすいところです。基本的に漢方では体内に不要な物が溜まって皮膚の弱い部分より排出されるのがニキビやアトピー性皮膚炎などの状態だと考えています。その場合に皮膚がポツポツと膨れ上がって、今にも中から不要物が吹き出しそうな状態ならば、出してしまわなければ治りません。これが排膿散の役割です。しかし出しているだけではキリがありません、同時に体内に不要物が溜まらないようにしなければ治りません。その場合、排膿散は1gだけで良いので他の処方を多めに併用出来る利点があります。例えば直近に診た固いボツボツのあるニキビの方に排膿散1gプラス黄連解毒湯(おうれんげどくとう)1g、プラス荊芥(けいがい)、連翹(れんぎょう)の組み合わせで処方したところ、拍子抜けするほど早く良くなりました。排膿散及湯を使ってしまうと、それだけで2gになるので他の処方を加えるにしても総量を気にしなければならない所でした。
排膿散は思った以上に良く効くし、服用量も少なくて済むし、処方を組み立てるベースとしてとても優秀な処方です。次回以降はもう少し詳しく説明して行きましょう。
さて夜景はチューリヒのリマト川ですが、今回はチューリヒを起点に電車でスイスを旅するのが目的です。チューリヒ到着の翌々日には電車でサンモリッツに向かいました。季節外れのためか電車もガラ空きです。電車はアプリから予約すれば良いのですが、この時期ならば乗車寸前にアプリ経由でも買えるでしょう。混雑期ならば座席指定も必要なのですが、今の時期は全てが自由席でした。チューリヒはのんびりとして人も親切で優しいし、この時期は適度に涼しいし湿気はないしで天国みたいな所でしたが、3時間少々電車に乗って到着したサンモリッツは天国の先の天国みたいな綺麗な所でした!
サンモリッツに向かう電車ですが、全く知りませんでしたが途中に何箇所か世界遺産を通って行きます。車内アナウンスで「ここから○側にユネスコの世界遺産の○○を・・・・・・・」みたいなのが流れるので、その度に座席を右に行ったり左に行ったりでした。そしてこの時期のガラ空き状態だからこそ、世界の車窓から・・・・みたいなビデオが撮影出来ました!
いつも食べ物と猫ばかりでしたが、ここからはしばらく写真には困らなです(笑)
細野漢方診療所 細野孝郎