• 内科医師からスタートし、現在は三代続いている漢方専門のクリニックを銀座で開業中。女性系疾患(月経関連、更年期、 不妊症など)、アトピー性皮膚炎などから、ちょこっと体の弱い人までお見えになります。趣味はマラソン(基本的にはインドアでテレビ派)、猫(アメショ)、週に1回の外食。マラソンはsix stars finisher(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク)日本人では338人目位の達成!!

今回は月経痛の治療中に他の症状が出た場合の対処法についてです。具体的には胃腸系の症状です。

10代の方で月経初日から2〜3日にかけて痛みが激しく動けなくなってしまうと言うことで来院されました。お腹を温めると動ける様になるとのことで、浮腫みもあるのでこれはもう当帰芍薬散合甘草乾姜湯(ここをずっと読んで下さっている方には馴染みある処方ですが、知らない人には分かり辛いのでタイトルには当帰芍薬散と書きました)しかありません。もちろん腹証所見で強い瘀血兆候がないのは確認しなければなりません。また同時にのぼせやほてり、クラクラ感などの頭部症状もあったので、さらに桂枝を加えておきました。処方は当帰芍薬散合甘草乾姜湯加桂枝です。効く時は思った以上に効くもので、月経周期16日目より治療開始となったのですが、早速次の月経(30日周期)より月経痛はほぼ消失、あるにはあったが時間も短くて済んだ、更に2〜3日に一回だった便通まで改善したとのことでした。但し、月経の数日前からの腹痛はあったそうです。そこで月経前の一週間と月経からの一週間、つまり月に二週間飲めば痛みなどは軽く済むのではないかとなって、月に2週間だけ飲むことで様子を見ることになりました。でその後、2回目の月経の時(昨年の7月)には痛みは大丈夫だけど胃が気持ち悪くてゲロゲロしているとおっしゃいました。その時には、そんなこともあるよね〜で終わらせてしまったのですが、今にして思えば胃の症状に注意しておけと言う兆候だったのです。月経痛が改善したので患者さん以上に喜んでしまい見逃してしまいました。こんなの気付かないで何年やってんだと言う話です。父親が生きていたらエライ怒られます、これ絶対に。そして3回目の月経(昨年の8月)では痛みは3/10程度、胃がスッキリせずに食欲がないとのことでした。今思い返せば、その時も胃腸の不調を訴えておられたのです。しかし本人も痛みに関しては調子が良いので、服薬もいい加減になり、月経が来てから3日間飲むみたいな感じになっていました。取り敢えず痛みが軽ければ良いか〜で終わっていました。実はこの方、高校3年生で受験を控えていて、受験本番前までは漢方で痛みは和らいでいたのですが、いよいよ共通テストとなった日に・・・・・・・・・(次回へ続く)

先週は嬉しいことが沢山ありました!まずはコロナ後遺症で悩んでいた方、この方は胸の息苦しさがずっと取れないとおっしゃっていたのですが、これがスッカリ治ったことです。こんなに良くなるとは思ってもいませんでした。次に採卵すら上手くいかず、もうダメだろうと思っていた不妊治療の方が採卵できたことです。これはまだ妊娠に至っていないので喜んではいけないのですが、まぁ40歳真ん中ですから大きな一歩です。後は外国人の患者さんが自分の親を連れて来たいと予約してくれたことです。親を連れて来てくれるのは凄く満足してくれている場合だけで、自分が少しでも気に入らないと親を連れて行こうとは思わないはずです。親も子供が良いと言う所には上機嫌で来てくれます。逆に親が当院を気に入ってくれていて、子供を無理やり連れて来るパターンがあります。これ連行パターンと呼んでいますが、絶対にダメなパターンです。連行された子供は大抵ふてくされています。自分が漢方をやってみたいと言えば連行ではなく連れて来て下さい(笑)最後はトンネルのおもちゃを猫が気に入ってくれたことです。超高速で飛んで入って飛んで抜けて行きます。ミサイルが筒から発射されたみたいな印象です!猫は気まぐれなので気に入らないと粗大ゴミ、猫におもちゃを買うのは勇気がいります・・・・・次回は今回良くなったコロナ後遺症の人の例を書こうかなと思っています。

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細野漢方診療所 細野孝郎