前回からの続きになります。
デトックスして体内がある程度綺麗になれば、次は皮膚の血流を改善することで皮膚の質感・キメ感などの改善を目指します。皮膚血流の改善には主に四物湯（しもつとう）や四物湯が含まれる処方を選択します。四物湯に含まれる当帰（とうき）、芍薬（しゃくやく）、川芎（せんきゅう）などの生薬は比較的細いレベルの血管の血流を良くするので、肌の血流改善にはピッタリの処方になります。もちろん皮膚の血流改善だけではなく、全身の血流改善に役立つので、子宮卵巣系の改善にも繋がります。卵巣の血流が改善されると、当然ホルモンバランスも改善されてきます。そうなると「若返る！」などと軽々しく言ってはいけないのですが、まぁそう言う効果を期待できるのです。小声で言っておきます。そうなるとったり状態でしょう。
じゃあ単純に四物湯飲めばいいのかとなると、そう簡単な話ではありません。四物湯は非常に作用が穏やかな処方なので、強く血流の悪い人（瘀血が強い人）にはもう少し強い処方を組み合わせたり、先に強い処方で大元の血流を改善する必要があります。当院に女性系疾患でお見えになる方は月経随伴症状や子宮筋腫、または不妊症の方などが主ですから、基本的に大元の血流改善が必要な方が大半です。その場合は四物湯以外の処方を選択したり、またはそれらと四物湯の組み合わせを処方したりもします。
どの様な処方の組み合わせが良いかは、漢方的な診察で決定します。肌が気になりお見えになっても、腹診や舌診の結果、思ったより瘀血が強い場合があります。その場合はデトックスと瘀血の治療を同時に開始することが多いのですが、「快便になったし生理の感じが変わった！」など皮膚以外のことでまず驚かれることが多いです。皮膚の改善はこの後について来ると考えて下さい。大体そうなると「薬はこのまま（皮膚よりに変更しないで）で様子を見たい！！」と言われてしまいます（笑）つまり女性系疾患の治療は限りなく皮膚美容の治療に近いとも言えるでしょう。
先週末はハーフマラソンを走って来ました。昨秋頃から怪我続きで思うように練習できていませんでしたが、何とかSimba君には抜かれなかったみたいです（笑）以前はハーフは立ち止まって写メ撮りながら走っても１時間４５分程度だったのですが、今回は必死に走って２時間丁度でした。ちょっと体も重かったのでこんなものでしょう。自分の場合は皮膚はともかく、体内のデトックスがもう少し必要かもしれません・・・・・
細野漢方診療所 細野孝郎
