• 内科医師からスタートし、現在は三代続いている漢方専門のクリニックを銀座で開業中。女性系疾患(月経関連、更年期、 不妊症など)、アトピー性皮膚炎などから、ちょこっと体の弱い人までお見えになります。趣味はマラソン(基本的にはインドアでテレビ派)、猫(アメショ)、週に1回の外食。マラソンはsix stars finisher(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク)日本人では338人目位の達成!!

前回からの続きになります

漢方美容の治療の進め方は、前回書いた3点の治療順番やどこに重きを置くかになります。
デトックスは美容漢方の根源と考えています。

消化能力を整えることは漢方美容の第一段階です。胃腸の消化能力が低かったり、また便秘などは肌荒れの原因となります。またいわゆる漢方で言う肝腎系(解毒に関係する)の働きが弱いと毒素が溜まりやすくなり、これまた肌荒れの原因となります。

これらの事は美容に少しでも関心がある人は、何となく気付いているでしょう。しかし具体的にどうして良いか分からないとか、面倒だとかでスルーしている人も多いかと思います。若いうちは何もしなくても胃腸機能は丈夫で、解毒もしっかり出来ているので、人によってはそこまで気にならないかも知れません。しかし年齢を重ねて来て、過食などしてしまうと翌日は肌荒れが酷かったり、そのうち普通に食べていても胃もたれしたり肌荒れして来る人もいるかと思います。

食べた物を消化、デトックスして、さらに残った不用物(毒素)を便や尿として体外にきちんと排出していれば、体内は綺麗な状態に保たれ、皮膚から不用物を排出することもないでしょう。食べ過ぎ、あるいは疲労や加齢による消化機能の低下は、結果として体内に不用物(毒素)を溜め込むことになります。逆にこれが体内に過剰に溜まると、体の器官に対して悪影響を与えるので、体は頑張って皮膚からこれらを排出するのです。出やすい部位は皮膚の弱い部位、つまり皮膚のキメが荒い部位とも言われています。最初の頃は化粧で誤魔化しが効いても、そのうち隠しきれなくなって「ヤバい!内面から綺麗にしなれば何も変わらない!」となります。「化粧で誤魔化す」は、「化粧を塗ることで噴き出て来る部位に蓋をしている」とも言えるでしょう。もちろん蓋をしたり、何かを塗って見た目を良くするのは大切ですが、それだけで綺麗にならなくなった時に「漢方美容」も次のステップとして考えるのも良いでしょう。

例をあげるとニキビ治療です。ニキビの患者様の治療は多数例やっていますが、女性の患者さんが多いので比較的胃腸系が弱い人が多いく、やはり胃腸系にトラブルが発生した時には大抵ニキビは悪化します。「ここのところ胃が重い(痛い)と思っていたらニキビが出て来ました・・・・・」など良くある話です。こういう時にはニキビの漢方を中断して、胃腸系の漢方を使うとニキビは良くなったりします。また便秘の酷い人や胃腸系の悪い人は肌に微細なプツプツがあり肌の状態はよくありません。

「体内を綺麗にする」、「デトックスする」、「消化・解毒能力を上げる」これらは全てほぼ同じ意味ですが、まずは漢方美容の第一歩と思って下さい。

次回は血流改善です!

写真が全くないので、デトックスと言いながら食べ物の写真です・・・・・・

某所にあるイタリア人シェフのお店はとても気に入っていて、定期的に行って常連になっていますが、そのイタリア人シェフもウチに定期的に通院されています。気に入った物が出てくるとこちらも気分が上がりますし、一方シェフも調子良いと機嫌良く美味しい物を作ってくれるので、ウインウインでお互い様です(笑)これはローマ郷土料理の花ズッキーニのフリットで中にアンチョビとチーズが入ってとても美味です!

自分も年を取って、デトックス機能が落ちたのか、ちょっとよくない油が使われた料理は胃もたれを激しくしてしまいます。先日も某有名大衆中華料理店の餃子2人前で胃もたれが続いて、しばらくは反省の日々でした。しかしここは油も腕も良いのか、この上さらにコトレッタとデザートまで食べても全く胃もたれありませでした。昔は量を重視、今は質を重視ってことでしょうか・・・・・・

細野漢方診療所 細野孝郎

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