前回のブログでは餅はヒスタミンを含むのでアトピー性皮膚炎の方などには良くないと書きました。そこで特に皮膚病もなく何もない人にはどうなの?と言う質問を頂きました。基本的に餅は糖分を多く含み、しかもビタミンはほぼ含みません。糖分の代謝にはビタミンやミネラルが必要となるため、餅をたくさん食べると糖代謝が上手く行かなくなります。結果として分解しきれない糖分が糖化反応を起こし皮膚(肌荒れ)など体内組織に悪影響を及ぼします。これは餅に限らずにお菓子などを食べ過ぎて吹き出物が出たり、肌荒れしたりするのと同じことです。
また前回も書きましたが、餅米にはヒスタミンが含まれますが、これは厄介な物質です。と言うのもヒスタミンはアレルギー反応を促進してしまいます。ヒスタミンは皮膚を痒くするだけではなく、呼吸器系では気管支を収縮させたり痰の量を増やしたりもします。喘息の方や気管支炎の方などは餅を食べ過ぎると症状が悪化するので要注意となります。
基本的には健康な方が普通に食べる程度では問題ないでしょう。
漢方的には、餅米は「体力をつけ、胃腸を元気にする。」「大便をかため、小便を少なくする。」作用があるそうです。適切な量の餅は、水分保持作用により頻尿や下痢、口渇を改善してくれるのですが、食べ過ぎると水分保持作用が前面に出てしまい、水毒症状が悪化してしまいます。腫れぼったくなったり、体が重くなったり、胃下垂の人はお腹に水が溜まりやすくなったりもします。呼吸器系に水分が過剰になると、それが痰や鼻水となってしまうので注意が必要です。
以前、高橋尚子さん(シドニーオリンピック、マラソンゴールドメダル)がレース前に餅を食べるとエネルギーの持ちが良いと何かで読んだことがありました。早速真似て食べてみましたが、お腹が苦しくなって自分は2個が限界でした。餅は糖分が豊富なので、効率よくエネルギー摂取可能です。更には水分保持作用があるので、持久系の運動の栄養補給には持って来いだと思います。食欲が落ちた人のエネルギー食としても良いでしょう。これらの滋養強壮作用や水分保持作用は餅の長所となります。
しかし餅はビタミン類や蛋白質をあまり含まないので、単品でお腹一杯にするのではなく、同時に他の物も食べる必要があります。さらに食べ過ぎると、肌荒れの原因となったりアトピーや喘息などの症状の悪化となります。
総合的に考えて、良い面も悪い面もあるお餅ですが、食べなくても困らないのならば僕的には食べない方が良いと思います。
思い起こせば子供の頃などは年賀状に書くことがなくて、最終手段として「おもち何個食べた?」みたいな一文を書き添えた記憶があります。あの頃は何個食べても苦しいと感じたことはなかった様な記憶があります(笑)私は今はすっかりお餅もおせちも食べない正月になっていますが、子供の頃の正月を思い浮かべると少し懐かしい気もします。お年玉を貰っても、当時京都ではお店は8日位まで全部閉まっていて、それで早くレコード買いたかったのにお預けを食らったものでした。いつも元旦は午前中に祖父の家に新年の挨拶に行って、午後にはお墓参りと親戚への挨拶周りなど、子供には退屈で仕方がない行事が満載でした。しかも最悪なことに祖父に捕まって正月の朝から説教(勉強しろだの、そんなんじゃ医者になれないなど)を喰らうのが恒例行事で、さらに3日位には父親から全く同じ様な説教を喰らうしで(笑)なので今でも正月は好きじゃないし、その散々な気分を思い出すお餅やおせちは積極的に買おうと思わないです。まぁ、時代も変わってなければないでそれなりに・・・・です。
で、年末のこの時期になると食べたくなるのが「鴨南そば」です。大昔は冬の間はよく食べたのですが、鴨がどんどん高くなってかなりの高級品になってしまったので、今ではこの時期だけになってしまいました。自分では気付いてないのですが、きっと食べなくても困らないのでしょう(笑)
細野漢方診療所 細野孝郎