前回の続きです
冷えに関してネット検索すると、一般的には自律神経の問題とか、筋肉量が足りない、代謝が悪いなどから、漢方的に書かれていると、気の産生不足から気の巡りの異常、そして瘀血など沢山の原因が書かれていて、見るのが面倒になった方もおられると思います。一般的な考えと漢方的な考えを一つずつ説明し、最終的には両者を結びつけて説明することも可能です。これは治療する側は当然理解しておかなければならないのですが、治療される側としてはややっこしい話になるので、あまり気にしてもしょうがないと思います。その原因の中でも、まず気にしておいた方が良いのは瘀血(おけつ)、血流の悪さによる冷えです。
前回も書いたのですが、血流が悪いとその部分が冷えるのは当然ですが、これは冷え以上に困った問題になります。血流低下にも色々と原因がありますが、1)血管が縮んで細くなっている、2)血液の粘度が高くて流れにくい、などの2点が主となるかと思います。これがいわゆる漢方で言う瘀血であり、視点を変えると自律神経の問題で血管が収縮しているとも言えてしまう、東西入り乱れての話で頭がごっちゃになります。なのであまり気にしてもしょうがないのです。
さて、それらが原因で血流が低下してしまうと、特に腹部臓器(胃腸系や子宮卵巣系)にダメージが及んでしまいます。以前、不妊系の雑誌に「子宮温暖化計画」とか言うタイトルがありましたが、これは子宮が冷えてしまうと妊娠しにくいと言うことなのです。子宮の血流が悪いために良好な子宮内環境が得られにくく、不妊などの原因となると言うことでしょう。もちろん血流の悪い卵巣は、その働き(卵巣ホルモン産出)も低下するはずです。冷え=血流低下は不妊だけではなく月経不順やPMSなどの原因にもなるでしょう。
もちろん困ったことは婦人系の病気だけではなく、単純に考えても腹部の血流が悪いと体に力が入りにくいでしょう。(極端に言えば体が寒くて動かないと言うこと)またよく巷で言われている免疫機能の低下にも関係するでしょう。これは漢方的には気の低下で説明できるのですが、科学的?には腸内環境の悪化が免疫機能を低下させるのではないかと思います。
漢方治療としては、血管が広がる、そして血液の粘度を下げて流れやすくすることが主となり、場合によっては気を改善して血液を流す力を増すことも考えなければなりません。次回以降に続きます。
さて話変わって、アメリカの写真がまだあるので助かっていますが、10月8日にシカゴマラソンを走って翌日は少し市内を回り、その後は友人家族に会うためにニューヨークに移動しました。その彼は今はリタイヤして地元クイーンズでボランティア活動などしていますが、元は学校の校長先生でかつ作家でもあり、詩集なんかを出版している方です。実は彼もマラソン仲間で、彼が東京マラソンで来日した時に困っているのを知って、少し手助けしたのがきっかけです。会うにあたって色々あった出版物からタイトルが一番面白かった本を買ってサインをしてもらいました。「他にもいろい作品あるんだけど・・・」と彼的には詩集を選んで欲しかったみたいです(笑)ちゃっかりとチキンをご馳走になって来ました!
トランスファーでニューヨークは何回か立ち寄っていますが、滞在したのは2014年のニューヨークマラソン以来なので9年ぶりでしたが、良くも悪くも変わっていない感じでした。3泊4日の日程でしたが、シカゴからの便が6時間!?も遅れたので、行きたかったレストランをキャンセルしたのが残念でした。
細野漢方診療所 細野孝郎