細野の漢方薬
当院の漢方薬は保険適用外です。それには、これだけの理由があります。
こだわりのオリジナル漢方処方
昭和25年(1950年)、私の祖父が聖光園細野診療所にてかねてから患者さまからの要望の多かった、煎じに劣らないエキス剤の開発に成功しました。日本に最初の漢方薬の製薬会社が出来たのが昭和30年頃、健康保険に30種類の漢方処方が適用となるのは、さらに21年後の1976年のことです。
今日まで、生薬を厳選し、製法を吟味し、天然生薬本来の味と香りを持つ良質のエキス剤にこだわり、改良を重ねてまいりました。生薬の品質に徹底的にこだわり、それゆえ産地にもこだわります。同じ日本産の生薬でも温かい地域で採取された物と、寒い地域で採取された物では、作用が微妙に異なってきます。
400種類以上の漢方処方プラス約170種の生薬単味より
現在保険適用の漢方処方は150処方程です。
当院では400種類近くの漢方処方を常時揃えています。さらに、単味成分と言って、必要に応じて処方に加える漢方成分が約170種類あります。
例えば、咽の痛みの酷い方に、「小柴胡湯」を基本処方に、単味成分である「石膏」「金銀花」「桔梗」などなどを加えて、その方のオリジナル処方を作ることができます。基本処方にも複数の組み合わせが存在します。例えば「小柴胡湯」と「五苓散」を組み合わせてみようとか、また配合比率も考えますので、できあがる漢方処方の可能性は無限になります。
逆に「小柴胡湯」は良いのけれども、中に含まれている何かの成分が合わない、となればその成分をマイナスした処方を作ることも可能なのです。
このような無限の組み合わせの処方、つまり一人一人に合わせたオーダーメイド処方は、煎じ薬だけの特権と思われてきましたが、当院では携帯に便利なエキス製剤で処方しております。
エキス剤の長所
エキス剤の長所は、「簡単に飲める」、「携帯に便利」、「長時間その効果が変化しない」、などいろいろあります。汎用性の高さという点で、エキス剤は煎じ薬の限界を遥かに超えています。
また厳選された生薬から、薬のエキスを抽出する過程において、常に同一の条件を適用できるため、結果的に効果の安定した漢方薬を得ることができます。煎じ薬を家庭で煎じると、煮こぼしたり、煮詰めてしまったりと、漢方薬の効果を左右する不安定な要素を排除することができません。
祖父の時代から90年以上漢方診療を続けてきた経験から、来院される患者さまどなたにでも対応できるように、現在の数の漢方処方と生薬単味を揃えております。